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第2回アグリサイエンスグランプリ最終選考会レポート!

あなたは熱(パッション)を持っていますか?

世界を変えたいと思っていますか?

高まる農業!第2回アグリサイエンスグランプリ最終選考会のレポートです!今年も熱いアグリの研究テーマを持った研究者が集まりました!

株式会社リバネスはシードアクセラレーションプログラム「TECH PLANTER」を運営しています。本プログラムでは、チームの育成を行うとともに、新たな才能を発掘するためにテックプラングランプリ、アグリサイエンスグランプリ、バイオサイエンスグランプリという3つの発掘イベントを行っています。

6月1によりエントリーを開始し、国内84件、海外62件、合計146のエントリーから、最終選考会に進出する34チーム(国内28チーム、シンガポール・マレーシア・台湾6チーム)を決定いたしました。

バイオサイエンスグランプリは、国内外でもユニークな、バイオ・ライフサイエンスが含まれるビジネスプランに限定したコンテストです。今回最終選考会に出場したのは10チーム(国内10チーム、海外1チーム(マレーシア))。国内外のハードウェア開発者を中心とした熱いパッションを持ったアントレプレナーたちがを「世界を変える」アイデアをプレゼンテーションしました。

審査員(10名)

最終選考チームプレゼン(国内第1部3チーム)

プレゼンター①
Fabmobi/島風技研
嘉数正人
テーマ:一輪運搬車のEV化キット「E-cat Kit」および ロボットプラットフォームの構築

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世界中どこでも使われている運搬一輪車(俗称:ねこ車)を 簡単に電動化するキット「E-cat Kit」によって、農業生産現場での負荷軽減や労働時間の短縮を目指します。ねこ車は、農業現場でもよく使用される運搬車ですが、荒れ地や斜面では負荷が大きく不向きです。「E-cat Kit」は、ほぼすべてのねこ車に取 付け可能な電動化キットで、アクセル発進、バック、電磁ブレーキに加え、ジャイロ機能で左右のバランス制御が可能です。さらに、このような農業現場のモビリティの開発を通して、農業オートメーションのプラットフォームの構築を目指します。

プレゼンター②
Shojin Meat Project
羽生雄毅
テーマ:細胞培養による食糧生産へ

本事業では細胞培養による食肉生産、“in vitro meat”の実現を目指します。従来の細胞培養は実験室規模に留まり、再生医 療や食肉生産のスケールでは非現実的な価格になります。そこで、醸造業等で出る菌類残滓物を酵素処理した低コスト細胞培養液と、細胞を臓器単位でまとめて培養する還流式臓器育成器を組み合わせ、培養コストを 10,000 分の1に低減させることを目指します。将来的には再生医療、贅沢食品、サプリ、ベジタリアン向け食品、一般食品へと展開し、世界的な食糧問題の解決に寄与します。

プレゼンター③
ナノサミット株式会社
冨田順
テーマ:世界初!高収益型ハウス農業を実現するカーボンナノチューブ含有導電発熱塗料

8_ナノサミット株式会社(参考イメージ)

カーボンナノチューブ(CNT)は、高い導電性や強靭さ、軽さなど、多くの優れた特性を有する素材です。これまでは凝集性が高く扱い難かった CNTを、東京大学古月文志特任教授の特 許技術により大量かつ安価に分散し、CNTの塗料化に成功しました。さらに、これを発熱素材とすることでハウス農業の冬場の 重油代を1/10 に削減できることを実証しました。この技術により、高い設備投資が必要な上に暖房コストがかかり、時期によっては収益性の低いハウス農業を、確実に儲かる農業に進化させ、農業革命を実現します。

プレゼンター④
株式会社ファームシップ
安田瑞希
テーマ:農業データサイエンスを基盤とした植物工場技術と新規農産物流通の確立

05_株式会社ファームシップ

伝統的な露地栽培から最先端の植物工場まで、農産品の生産から流通、消費までのデータを一気通貫で管理・解析し、農業を合理化するデータサイエンス基盤技術の開発を行っています。ファームシップがこれまで独自に培ってきた、植物工場の運営管理ノウハウと農産品の流通ネットワークに最新のICT 技術を 融合させることで、世界の食料生産や食料流通に関する様々な課題を解決します。農業をもっと魅力的で、面白い職業・産業にしたい。ファームシップは、食と農の新たな未来を創造します。

最終選考チームプレゼン(第2部4チーム)

プレゼンター⑤
TOKYO TEAM TOMATO
佐藤証
都市型空中農業

09_TOKYO TEAM TOMATO

無線センサ制御による低コストな水耕栽培システムを開発し、ビルの屋上等の遊休スペースを活用した高糖度トマトを中心とする新たな都市型農業モデルの構築を目指しています。地方の大規模植物工場とは逆に、個人でも導入可能な中小規模のシステムにより、 生産中心の農業からサービス産業への転換を図ります。都市部ならではの究極の地産地消、加工販売まで含めた6次産業化、屋上緑化と憩いのスペースの創出に加えて、栽培・収穫という労働を楽しみに変えながら新市場の開拓を狙います。本事業には昨年度のリバネス研究費採択時より学生も主体的に参加しています。

プレゼンター⑥
微生物触媒工学
原富次郎
微生物触媒によるあたらしい農薬

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微生物触媒で合成農薬に匹敵する生物由来農薬の創生に挑戦 しています。これまで様々な種類の合成農薬に晒された土壌から 生産された農産品は、私たちの健康な身体を蝕んでいるのではないかと注目されており、世界的に品質の高い食料が求められています。しかしながら、合成農薬の代替として期待される自然調和 型の生物農薬の効果は、合成農薬に未だ及びません。我々は独自の微生物触媒化技術やプロテインエンジニアリングを応用して、合成農薬に匹敵かつ安定した効果を示す生分解性の生物由来農 薬を創り出すことで、この世界的課題の解決を目指しています。

プレゼンター⑦
海洋有用微生物
今田千秋
天然由来酵素阻害剤による生鮮食品の変色防止

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新たな海洋微生物の分離培地と培養方法として、培養温度、 特殊な基質の添加、海水濃度や圧力などを組み合わせ、各種培 養装置の開発と新規有用微生物の探索を研究テーマとしていま す。今回は天然由来酵素阻害剤による生鮮食品の褐変防止をコンセプトにしています。本酵素阻害剤は人に対して無害であり、 2日間という短期培養期間、低コストの試薬で培養可能、培養過程で有害物質の発生がないという特徴を持ちます。変色してしまうことで生鮮食材の価値が下落してしまうことを防止し、商品の付加価値を高めるプロダクトです。

プレゼンター⑧
バイオサーモメーター
濱田奈保子
品質可視化ツールを用いた食品の適正流通システムの 実現とフードロス削減

1_バイオサーモメーター

大学では、水産物の鮮度評価・管理、通電加熱と無菌包装技術を組み合わせた生鮮食品のロングライフ化などを研究してい ます。バイオサーモメーター(BTM)のコンセプトは、食品の温度履歴の積算温度を可視化するという客観的情報の提供により、流通業者や消費者が手元の食品について、生食が可能か、 もしくは焼き物や煮物などの調理が必要か、選択できるようにすることです。これにより、情報不足に起因する飲食可能な食品の無駄な廃棄(フードロス)を減らし、さらに高付加価値な流 通チェーンの構築推進につなげます。

最終選考チームプレゼン(第3部3チーム)

プレゼンター⑨
C-Heart
Dr. Khoo Hock Eng
C-Heart oil for a healthy you ダバイ抽出油の健康機能性

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ダバイは、生物資源の豊富なマレーシアのボルネオ島で原生する植物です。我々は、超臨界二酸化炭素によって抽出したダバイの油を「C-Heart oil」と名付けました。C-Heart oil は、不飽和脂肪酸とポリフェノールを豊富に含むことから、これまでにない特徴的な食用油であると期待されています。私たち は、サプリメントや健康機能性成分としてC-Heart oil を製造する工程の知的財産を取得するとともに、大学発の技術を強みとした商品開発を進め、新たな事業戦略の開発を行います。

プレゼンター⑩
マリンナノファイバー
伊福伸介
カニ殻由来の新素材「キチンナノファイバー」を活用した 新規な地域産業の創出

鳥取県内で大量に発生する廃カニ殻を原料に、新素材である キチンナノファイバーを製造し、関連する新産業の創出による鳥 取の活性化を目指しています。国内有数の水揚げ基地である境 港では、日本一の紅ズワイガニの漁獲高を誇る一方で、隣接す る缶詰工場から大量のカニ殻が食品残渣として廃棄されるとい う課題があります。そこで、カニ殻の有効活用の一手としてキチ ンのナノファイバー化に成功しました。既に肌への塗布や服用に 伴う生理機能を明らかにしており、今後は機能性食品や化粧品、 医療用材料のさらなる開発・製品化に挑戦します。

プレゼンター⑪
Kisvin Science株式会社
西岡一洋
植物生理生態学に基づいたワインブドウ栽培支援IoT

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Kisvin Science 株式会社では、日本でもおいしいワインを造りたい という想いから、農業 IoTと樹液流センサを用いて植物生理生態学的にブドウ樹木の生理状態を数値化、把握する方法を確立し、生産者が高品質なブドウを生産することを目指しています。現在の農業現場は、目に見えず数値化できないことが多く、経験や勘への依存からの 脱却が必要です。これまでに、樹液流センサを用いた温室作物の潅水制御システムや、樹液流量以外のパラメータの推定方法の開発を行ってきました。将来的なビジョンとして、世界中のブドウの樹にセンサをつけ、地方同士のデータ比較や食味の向上も可能になります。

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表彰式

最優秀賞
Shojin Meat Project 羽生雄毅
テーマ名:細胞培養による食糧生産へ

審査員長からのコメント

丸:上位3チームは変わらない状態でした。プレゼンテーションの中で、どんな未来を作るか、人工肉をつくるということのみならず、サイエンスとテクノロジーを一般の人たちに伝えていかなければいけないということや消費者に受け入れられるのかというところなどの長期的な課題に対してアプローチをかけようとしている点が評価されました。また、リバネスの創業は出前実験教室から始めているが、そういったところとなにか重なるものがあって感動しました。培養技術というところは、農業だけでなく、応用範囲の広さもありますので、そういうところも解決すると面白くなると考えています。そして、ザ・日本の理系研究者ですよね。もちろん全力で支援しますので、絶対に諦めないで世界を変えて欲しいと思います。本当におめでとうございます。
受賞チームからのコメント

羽生:本当にびっくりしています。わたしは昔からSF好きで、どうにかしてワープエンジンや培養食肉をやりたいと思っていました。培養食肉は今やれば旬じゃないかとおもったのがキッカケです。東京大学の近くにある研究者のたまり場でそういう話をしていたら、川島との出会いがあり、始まったプロジェクトです。最優秀賞を取った勢いをそのままに、法人登録をして突っ走っていこうと思います。今後ともよろしくお願いします。

川島:ドッキリ?だと思っています。今日は自分たちのプロジェクトの話を聞いてもらって、日本にもこういうひとがいると認知してもらえればいいと思っていた。私は、肉を食べたいというのが第一のモチベーションです。キッカケは研究室で細胞を培養していたら、これ食べれるんじゃないかとおもったのが最初です。その後、たまたま羽生くんと出会ったのがキッカケてプロジェクト化しまいた。ちょっとずつ努力して、プロジェクトを続けていきたいです。

?野家賞(2チーム受賞)

マリンナノファイバー 伊福伸介
カニ殻由来の新素材「キチンナノファイバー」を活用した新規な地域産業の創出
海洋有用微生物 今田千秋
天然由来酵素阻害剤による生鮮食品の変色防止

株式会社?野家ホールディングス代表取締役社長の河村泰貴氏は、「?野家ホールディングスでは寿司の業態もあり、海洋有用微生物の技術、変色防止は、鮮度、商品価値の向上で可能性を感じた。マリンナノファイバーは、うちの素材開発部とコラボした?野家にしか出せない商品を出していきたい。」と、選出理由をお話しされました。

オムロン賞

Kisvin Science株式会社 西岡一洋
植物生理生態学に基づいたワインブドウ栽培支援IoT

オムロンベンチャーズ株式会社代表取締役社長小澤尚志氏は、「農業のオートメーション化に取り組むオムロンにとって、実現したい未来に近いものをプレゼンしていただいた。」と選出理由を述べられました。

三菱ガス化学賞

バイオサーモメーター 濱田奈保子
品質可視化ツールを用いた食品の適正流通システムの 実現とフードロス削減

三菱ガス化学株式会社新規事業開発部事業戦略グループ茅野義弘氏は、「私たちも鮮度保持のデバイスをやっている。そことコラボできればと思っている。」と、選出理由を述べてくださいました。

ロート賞

Shojin Meat Project 羽生雄毅
細胞培養による食糧生産へ

ロート製薬株式会社取締役研究開発本部長國﨑伸一氏は、「shojin meatの実現は なかなかむずかしそうだ。そう思うところに逆に可能性を感じた。」と、ロート製薬社らしい選出理由でエールを送りました。

ユーグレナ賞

微生物触媒工学 原富次郎
微生物触媒によるあたらしい農薬

株式会社ユーグレナ取締役研究開発部長鈴木健吾氏は、「ユーグレナも微生物。微生物を触媒に使うというコンセプト自体に大きな可能性を感じる。頑張りましょう!」と選出理由を述べられました。

森下仁丹賞

微生物触媒工学 原富次郎
微生物触媒によるあたらしい農薬

森下仁丹株式会社カプセル事業本部 副本部長兼カプセル開発部部長田川大輔氏は、選出理由を、「森下仁丹もドラッグデリバリーやっていて、いろんな触媒カプセルがある。微生物触媒工学チームと組み合わせることでもっと面白いことができるのでは」と期待を込めてお話しされました。

JT賞

Kisvin Science株式会社 西岡一洋
植物生理生態学に基づいたワインブドウ栽培支援IoT

株式会社グローカリンク取締役アクセラレーター/日本たばこ産業株式会社経営企画部課長中原拓氏は、「人の心に喜びをもたらすサイエンスベースの技術である点、センサーそのものに可能性を感じた。」と選出理由を述べられました。

日本ユニシス賞

株式会社ファームシップ 安田瑞希
農業データサイエンスを基盤とした植物工場技術と グローバル農産物流通システムの確立

日本ユニシス株式会社代表取締役専務執行役員CMO平岡昭良氏は、「ファームシップを選ぶと仕事が大変になるからと社員に止められたが、IT業界も3Kだ5Kだと言われている。3Kを解消したいという想いに共感した。」と選出理由を述べられました。

特別枠:TOKYO HARVEST賞

Fabmobi/島風技研 嘉数正人
一輪運搬車のEV化キット「E-cat Kit」およびロボットプラットフォームの構築

審査委員長の丸から、「3万人の生産者が来場する東京ハーヴェストで15分間のプレゼンテーションできる権利はこれから販売していこうという中で良い宣伝機会になる。頑張って欲しい」と、応援メッセージを送りました。

本大会も非常にレベルの高いチームが集まりました。パッション、テクノロジーはどのチームも甲乙つけがたい発表をしており、今後のシードアクセラレーションプログラム「TECH PLANTER」が楽しみです。

もし、この取組にご興味がある方はテックプラングランプリ運営事務局([email protected])までご連絡ください。

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